2015 別冊少年チャンピオン7月号

・ベスケ・デス・ケベス
まずなにより、こんな前の方に載ってることに驚いたわ。大人気なの?
マスターオブ北条が100tハンマーを持っているわけだが、弁解の余地無く槙村香である。
そう考えると、北条三姉妹がレオタードなのはキャッツアイのオマージュなのか。

巨根の気が宿るチョコバナナを、そうと知りつつ貪り食う女子高生って、大丈夫か?

・百足
やったー、フクイタクミの新連載だ!
いやしかし、1Pを見るなり思ったのは、またぞろシリアスファンタジー物か、と。
フクイ先生はもうこの路線を手放して、リビドー全開にカロリちゃん的エロコメを描いてれば
いいんですよ、などとファンに有るまじき苦い感想を抱いてしまった。
ところがこれが、面白い。
「鬼」だの「土蜘蛛」だの「天狗」だのは実在の人間、例えば異人や部族の存在を恐れたり
忌んだりして、怪物になぞらえて呼称していた結果、後に怪物らしいビジュアルが与えられ、
妖怪として独立した存在感を得た、とする解釈が有る。
この作品は、まさに後世「妖怪大百足」として語り継がれるべき存在が、現実にその脅威を
撒き散らす、その当時のお話。
この絶妙な臨場感にワクワクするのだが、うまく言語化できない。

妖怪めいた100の超人を討ち滅ぼす旅、というのは「どろろ」を想起しないでもないが、
あまり偉人の作品を引き合いにだすのも品が無かろうか。

一人甲冑を身にまとい、百足の仮面を身に付けた投げ斧の大男。
カラーページでの扱われ方から、こいつが百足衆の頭領かと思いきや、まさかのワンパンKO。

きのこ毒の抜けきらぬ内に、ボス格(風)を瞬殺して馬頭丸の強さを示した。
その矢先、まるで動じぬ気配の百足衆が取り囲み、場の主導権を奪い返す。
このハラハラさせられる感じ、すごく好き。先が楽しみでならない。
あとは悪いクセが出て、進行が滞らないことを祈るばかりです。

弱虫ペダル SPARE BIKE
なんかもうこれ、本編より10倍くらい面白いんだけど。
本編より、というのもそうだけれど、SPARE BIKE史上でも最上級だろう。
小関さんが去ることに対する、他の大人のメンバーと金城少年の空気の違いが、よりいっそう
喪失感を煽っていて、切ない。

でも小関さん、そのへそ出しピチTはいただけないなあ。

ダーウィンズゲーム
FLIPFLOPs先生、正しいカラーページの使い方をありがとうございます。

カナメ、完全に吹っ切れちゃったにゃー。
吹っ切れたサンセットレーベンにとって、もはやエイスは赤子の手を捻るごとし。
外道どもが、あっという間に蹴散らされる様子はカタルシス

エイスというクランは、なるほどこうも脆かった。
中心人物であるワンは結局、普通の人が持ち合わせる良心のようなものが欠けた狂人が、
強力な武器を手にしてしまった、ただそれだけの存在。カリスマは、無かった。
シギルが強すぎるが故に、常人がその異常性を理解する前に勝てていただけ。
その能力の特性が暴かれた今、もはやワンは猛獣から狩りの獲物に成り下がった。
一部の強い幹部を除いた構成員も、人を傷つけ、奪い、殺すということに比較的抵抗が
薄めなだけの、寄らば大樹思考だったというだけか。戦う意志は、無かった。
でも彼らにすれば、ワンに出会った時点で傘下に入るか殺されるかの二択だったろう。
ある意味、ワンの被害者なのかもにゃー。

・サンセットローズ
船首の矢もそうだけど、チェリーの船の仕掛けは、どうも科学的に納得しがたいなあ。
ジャンプの某海賊マンガに登場する、ロボやら小船やらに比べれば余程現実味が有るものの、
あちらは子供向けでファンタジー色強く、また狂科学者の存在も示されているからな。

聖闘士星矢ロストキャンバス外伝
シオン編、完結。
過去から現在、そして未来へ。想いをつないで行く存在として覚悟を決めたシオン。
クロスに残された記憶を読み取れる彼だからこそ、その意志はより強く。

還ってきたサーシャとテンマは、しかしその聖衣が見せた幻影であった。
ペガサスの聖衣が、元のブロンズの姿に戻っているあたりは、さすがである。

これにて終了かと思ったLC外伝シリーズだが、次が最終章なのか。
老双子ってのは、ハクレイとセージのことだろうか?

・セトウツミ
此元先生、誤ったカラーページの使い方をありがとうございます。

・ガンロック
第二シリーズの初回めいた濃密な一話だったが、次回が最終話か。
この濃さは、悪徒-ACT-を思い出すなあ。

スピーシーズドメイン
天狗の人、なんなの?外見からはまったく天狗性が見えないけど。

今回はギャグ控えめ、風森さんが己の努力によって憧れのエルフ像に一歩近づいた話だった。

・少年Y
これは、哲の臭いが強すぎてなんとも言いがたいな。
ラストゲームで遂に自らの選択を貫かんとしたユズル。
だがその結末は、柚希の選択に奪われてしまう。最後まで、ユズルは選択できなかった。
そんなユズルが、グッズだとかゲームだとか関係なく、ただ人と人との繋がりのため、
友を想い、信じることの発露として、自らの選択をつかみとった。
結局、少年ユズルの成長の物語だった、ということか。

ユズルの姉の件は、世界が書き換えられることで永遠に答えが出ないために、じんわりとした
後味の悪さが残っていて良い。姉の描かれ方が奇妙だったのは、このための伏線だったか。