飛行迷宮学園ダンゲロス 読了

飛行迷宮学園ダンゲロス―『蠍座の名探偵』― (講談社BOX)

シビアな能力バトル物としては、前作に勢いが劣る気はしないでもなかった。
もちろん、前作「戦闘破壊学園ダンゲロス」は優秀なるコミカライズで強固に
補強されているため、イメージ的に有利ではあるけれど。

魔人同士のバトルとしては上記の通りだが、非魔人のあのキャラが、あんな
タイミングであっけなく死んでしまったのは、やはり意表を突かれた。
転校生の世界や、識家の対抗勢力の存在など、世界設定の広がりを匂わせる、
今後に繋がる一作だっただろうか。

さりとて、最も印象深いのは「男子中学生のホモは気持ち悪い」というくだりだ。
前作では「女子高生同士のレズは世界で一番美しい」というテーマを掲げていたダンゲロス。
今回はその対を成すかのように、男子中学生のホモ心が事件の根幹に関わっていた。
男女の色恋を発端にする物語は枚挙に暇がないが、それをホモに置き換えるとは恐れ入る。