ダンゲロス6巻

東京からの帰りに、6巻電子版を読んだ。

今回の巻に描かれていた、漫画版オリジナルストーリーの邪賢王過去編が実に良い。
これ、お話から横田先生が考えたのだろうか。

邪賢王とド正義の、言語には表せない友情が、現在の二度と引き返せない対立を鮮明にする。
彼らの魔人覚醒の時期にズレが有るとすることで、邪賢王が一方的に相手の能力を知っている
状況に不自然さを無くしたのは上手い。

また本編ではカレーで爆死したくらいしか描写の無かった、口舌院言葉が大活躍。
快活で巨乳で距離感が近い、まあ童貞には猛毒みたいな女性だった。

ド正義や友釣のような、回避不能の即死能力が存在する世界で、番長グループに正面から
攻撃を仕掛ける邪賢王は、それしかやりようが無いとは言え、余りにも蛮勇に見える。
ただ実際は、そう愚かな手段ではないのかも知れない。
魔人能力を決定づけるのは、日頃の妄想や願望だ。
ある条件に当てはまるあらゆる者を問答無用で殺したいという願いが、他の願望を差し置いて
発現するには、強い意志力で願い続けるか、極限的な状況で覚醒する他無い。
その特殊性を考えると、無差別即死能力者の絶対数は少なく、雑魚ヤンキー相手のゲリラ戦で
出くわすことを警戒する必要はないのだろう。
逆に言えば、そんな強い能力を持っている者が雑魚ヤンキーに甘んじるはずが無い。
幹部クラスまでのし上がっていて然るべきである。
ド正義がその能力で学園を鎮圧し、誰も敵わないことや、友釣がハルマゲドンの戦略の要に
据えられていたことから、やはり彼らの能力(即死系)は特別強い位置に居ると思われる。
ゆえに、邪賢王の正面突破は無謀なようで、能力バトル的には理に適っているのだ。

ああもちろん、幹部だからと言って能力が強い必要はない。
その圧倒的な膂力によって登ってきた幹部A。
その能力が、女子のスカートを捲る時だけ発動可能なつむじ風を起こす、だとか
そんなしょぼいエロ能力の方が、むしろ膂力の強さが際立つので、有りかもしれない。