施川ユウキ作品を、読む

読んでいなかった、↓の辺りの過去作品を、kindleにて読了。

12月生まれの少年 1 (1) (バンブー・コミックス)

12月生まれの少年 1 (1) (バンブー・コミックス)

森のテグー 1 (ヤングチャンピオンコミックス)

森のテグー 1 (ヤングチャンピオンコミックス)

これらの作品、出た当初は「けっ、施川ユウキともあろう人がほのぼのファミリー向けかよ」
などと、読みもしないうちから斜に構えてしまっていた。何しろスペースの問題が有るから、
一度食わず嫌いをすると、紙の本では買って読んでみようという気には中々なれない。
ということで、Kindle版で手を出してみた。

うん、読まず嫌い良くない。いずれも良作であった。
特に12月生まれの少年が気に入った。これは、一種の哲学入門書ではあるまいか。
少年期のふとした、世間からすると他愛がなく見えるのに、そのときの本人にとっては真剣な、
そして実益的には発展性の無い思考。
これを存在感を持って描いている作品を、哲学書と言わずしてなんと言おうか。

3作品通して見ると、施川先生の女性の好みがクッキリと浮き出ている感がある。
チボにそろ、葵にしろ、ネ子にしろ、ちょっと天然気味かつ積極性と行動力の有る女の子が
ヒロインポジションに付いている。
中でも”もずく、ウォーキング!”については、ヒロインと結ばれる未来が限りなく薄いことが
最終回で示唆されていて、ラブコメ的視点で見ると切なさがある。