能力バトル物の能力を分類する
いわゆる能力バトル物の創作物で扱われる異能力を、個人的見解により分類する。
このように分類、整理することで、作中の登場人物の心理を推測する手がかりを得ることを
目的とする。
<取得する経緯による分類>
覚醒型
なんらかのきっかけにより、短期間の内に能力が発生し、取得されるタイプ。
さらに、以下の様に小分類できる。
1.素質の有る者であれば、きっかけに触れるだけで能力を取得できるケース。
素質の無い者がきっかけに触れると、何らかのペナルティを負うことも有る。*1
2.素質の有無は判定されず、きっかけに触れさえすれば確実に能力を取得できるケース。 *2
3.きっかけが不明とされており、突然に能力を取得するケース。
個々の能力については、取得した後の性質からきっかけを類推できる場合も有るが、
一般化はできない。*3
習得型
異能力を取得することを目的に、ある程度長期間の鍛錬を積むタイプ。
異能力は、体系化された技術として位置づけられている。
覚醒型の多くは、異能力の存在を知っていてもそのきっかけに触れる事自体が奇跡であるか、絶対数が限られている。
対して習得型の多くは、ある程度以上の素質が有る者が正しく鍛錬を積めば、原理的には誰でも能力を取得できる。
そのため、優位性や危険性を考慮して、技術を持つ集団によって存在自体を秘匿され易い。
素質が有り、最初から能力を身に付けている者でも、鍛錬により高度な扱いが可能となる。*4
更に過酷な鍛錬によって体質を改造し、肉体を異能力を扱う器に特化させる物も。*5
装着型
特殊なアイテムを装着することで異能力を身につけるタイプ。
基本的にはアイテムを装着するだけで能力を発揮できるが、より効果を高めるため、
使用者自身にもなんらかの処置を施す場合が有る。*6
また、以下の様に小分類できる。
1.アイテム毎の個体差が明確であり、得られる能力の性質もそれぞれのアイテムに依存しているため、使用者が変わっても効果を再現することができるケース。*7
2.アイテム毎の個体差は乏しく(シリアルNo.程度)、単なるエネルギー源や変換装置と
みなされており、能力の性質は使用者に依存するケース。*8
いずれにせよ、能力の根幹はアイテムそのものに宿っているため、能力を使用できるのは
アイテムを装着している間のみである。
<能力の性質決定方法による分類>
任意選択型
能力の取得に際して、その性質を予め知ることができるタイプ。
相性や、技術体系の習熟度合いによる完成度の上下は有るものの、能力の性質を自らの意志で細部まで構築できるものや*9、
有限の(実質的に一択の場合を含む)選択肢の中から選ぶことができ、選択肢の中に
望む性質の能力がなければ、取得を拒否できるもの*10などをバリエーションとする。
人生反映型
取得者が個々に持つ体験、遭遇した事件・事故、価値観や考え方、得手不得手と言った、
個人を形成する要素によって能力の性質が自動的に決定されるタイプ。
持ち前の才能の発露であるため、使用者との相性は良い。
能力の発生後は反対に、その性質が使用者の人格形成に影響を与えることも。*11
法則不明型
能力の性質は自動的に決定されるが、なぜその様に決定づけられたのか、説明が付かないタイプ。*12
<能力の発展性による分類>
効果固定型
能力の効果が使用者のコンディションに大きく影響されないタイプ。*13
常に安定した効果を得られる反面、鍛錬によって効果を増強することが難しい。
効果変動型
能力の効果が使用者の意志やコンディションに影響されるタイプ。*14
鍛錬によって高精度に制御したり、出力を増加させることができる。
*1:「弓と矢」による「スタンド能力」。スタンド能力が発現しなかった場合、矢に貫かれた傷は回復しない。(ジョジョの奇妙な冒険)
*2:「ダーウィンズゲームへの登録」による「シギル」(ダーウィンズゲーム)
*3:「魔人能力」(戦闘破壊学園ダンゲロス)
*4:「波紋法」(ジョジョの奇妙な冒険)
*9:「念能力(発)」(HUNTERXHUNTER)
*12:「NEXT能力」(TIGER & BUNNY)