読んだマンガ C.M.B.23
C.M.B.森羅博物館の事件目録(23) (講談社コミックス月刊マガジン)
- 作者: 加藤元浩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/06/17
- メディア: コミック
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以下、脅威の部屋をご紹介後の内容にも触れるので、ネタバレ注意。
・4枚目の鏝絵
創作の狂気に取り憑かれた美術家の話は、稀によく出てくるテーマだな。
美術の世界が目指すのは、当人の頭の中にしかない最高傑作。
周りの誰もが称賛しても、本人が納得しない限りは決して完成しない。
杏次郎が出したのは異次元の答え。それはもう鏝絵じゃない。
狂気に取り憑かれる、という点ではQ.E.D.でよく取り扱われる、
数学の世界の深みに通じる所があるのかもしれない。
こちらは、目指すべき完成形(○○の定理や、△△予想といった式)が先に
見えていて、そこへたどり着く道程にこそ魔物が潜んでいる、という図式。
一人の作家がこういう好対照なテーマを扱うのが面白い。
・足摺厚焼き卵店
また随分とワンパクな話だな。
泥棒の格闘スタイルが脚技主体とは。
・Nobody
殺人は無かった、という発想まではわかったのだがな。
九死に一生を掴み取る綱渡りの脱出劇。普段安穏と生きている人間には考え及ばない。
実際、掃除屋Cがもう少しだけしっかりと麻袋に触っていたら、それだけで
ダミー人形に気づかれていたし、車に運びこむまで手を洗わない程度に
血液の付着に無頓着なら、脱出する暇は無かった。
偶然と幸運でなんとか繋がった命。
カルロの死体が処分されることを警察に通報したのはカルロ自身なのか?
だとすると、余計な一手を打ったことになるが。
ダミーが、それと知られずに海へ処分された方が、疑念を挟む余地はなくなるはず。
自分を始末する処分屋を、警察に確保させればより安全と踏んだのかもしれない。
・グラウンド
全巻のソーラーカーの話では生徒側が負けに終わってしまっただけに、
今回はすかっとしたね。
監督の小賢しいところは、自主退部をさせる前にグラウンドへの放水を実行させ、
部員全員を実行犯として計画に巻き込んだところだ。
その後なら、多少無茶な要求でも心理的に引き返せなくなる。
お、今巻は人が一人も死んでないぞ。