読んだマンガ

以下ネタバレ有り。

・夏季補講授業
当て逃げした先生は被害者面してるけど、結局前方不注意じゃねえか。
名探偵マーニーなんかに出てくる、熟年の凄みを持ったオジサマも好きだが、
こういう、普通にゲスいおっさんの描写も楽しい。
手前の車の隣(ソーラーカーの位置)に停めようとした先生が、陰に隠れていた
ソーラーカーを見落としたために、バックで入庫して当てた、
という真相かと予想したが、さすがにもう一捻りあったか。

数学や物理は正解が一つしかないかも知れないが、それらを土台にした
工学・工業はいくつもの正解がある世界。
そして電研がやっていることは、そんな工学の世界だよ。

・ガラスの楽園
ここ数巻の中では一番好きなエピソードかもしれない。
アイリス博士がモバイルプロジェクターなんていうアイテムを持っている点だけ、
随分都合がいい気がするが。使わんだろ、あの島では。

ダーウィンとフィッツロイ船長のやり取りが持つ緊張感がたまらない。
研究者としての知恵で船長の嘘を見抜いたダーウィン
しかし研究者らしく、閉鎖された船上という不利な立場をかえりみないまま、
船長を糾弾する姿は、いつ反撃を食らうのかとハラハラした。
そしてただただ船と、その仲間を守るために、告発すら恐れない船長。
嘘が突き通せないとわかるや、淡々と真実を明かす。
徹底して大人であり、組織を預かる者としての風格が見える。

自然保護はエゴだ。
ガラパゴスはガラスの楽園、だから守ってあげなければならない」
とは、なんと心に響かない言葉だろう。
環境の変動に合わせて、生き残る姿を選択し続けてきたのがガラパゴスならば、
今の環境に有る今の姿の保守に固執する事は、むしろ紡いできた歴史への不敬にすら感じる。
島の環境は観光資源として重大だ。だから守らなければならない。
とでも言われた方が、余程しっくりくる。

サントの売りたかった秘密は、ロビンの人骨かと思ったけど、違ったぜ。


・螺旋の骨董品店
扉絵にわくわくする。巨大生物はロマン。

犯人は予想出来た。森羅が指摘しているお金関係の不整合で。
残念ながら、姿見が怪しいとは思いつつも、トリックは分からなかった。

アンモナイトと事件そのものとの重ねあわせ方がスマートで良い。

今巻は満足度高かったな。