別冊チャンピオン 2012 11月号 後編

魔法少女オブジエンド
なんだこれ。
大ゴマの無駄遣い、紙面稼ぎに見える点はてんむすを彷彿とさせる。
いろいろと整合性の合わない展開もそう。
しかし、てんむすには得体の知れない引力が有るんだよな。残念ながらまじかるにはそれが無い。

今回、まじかる達の謎に迫るようなヒキで終わったけど、正直あんまり気にならない。
なんでかと思ったけど、ここまでの展開が薄い事と、情報が少なすぎるせいかもしれない。
無駄な大ゴマを辞めて画面構成と展開を工夫し、今回のヒキまでを半分に収める。そして
謎の新まじかるはもう少しその脅威、既存の連中とどう違うのかを描写すれば良いのに。

謎のまじかるは喋る。それは分かった。だからといってコミュニケーションを取るでもなく、
殺しに来ていることは変わり無いから実質的な危険度は同じなんだよね。

見所はヨルカさんのお腹だけでした。

サイケデリック寿
今号も全開ですね。
百合成分が濃くなってきた。絵柄のおかげであんまりエロくないのでいいバランス。

聖闘士星矢 LC外伝
サラマンダーより速ーい。
先月まで依淋可愛い、依淋可愛いばかり言っていたことは覚えている。
だが敢えて言う。コナー可愛い。
またレグルスが似合いの王子様過ぎでもう、生きるのがつらい。

部下に恵まれないクルワッハ様。
あなたの手下、コナーを連れてこずに平原で殺そうとしてましたけど。

・眠らないでたえちゃん
特別編なので読んでみた。
意外にもまともなミステリっぽさが出ていて楽しめた。
「温泉ならゆかたをしていてもおかしくない!」
子供ってこういうこと言うよね。局地的には筋が通っているけど、一歩でも引いて見ると破綻する理論。

・読み切り スイソウ学のジジョウ
いいね、実に面白かった。
アクティブなヒロインによる巻き込まれ型の部活物、とカテゴライズすると、同誌の
ハダカノタイヨウにも見られるように、大抵主人公は弱気で主体性が無かったりする物だ。
いや、あまり例を出せる程知らないけど、そういうイメージ。
しかし、本作の主人公である土岐君には確たる自己が有る。
そんな彼のアイデンティティーを尊重した上で自分のテリトリーに引きこむ事によって、
ヒロイン雨薗の魅力が引き立つ。
アマゾノって名前はアマゾンから来ているのだろうか。

世界"ローカ・ダートゥ"
何語だよ。インテリ中学生っぽいなー。
見せ方が上手いおかげで、黒歴史的薄ら寒さを感じずに済んだ。

土岐君と吹奏楽部との関わり方や、途中から出てこなくなったクラスメイトのちびっ子など
気になる点は残っているが、後編に期待したい。

・12月のゼファー
パラパラと飛ばしながら眺めていたら驚いた。
気持ち悪いとしか言い様の無かった画面構成が随分と読みやすくなっている。
肉体の描写の不気味さも完全に抜けきっているので、絵的な面で不快感はほぼなくなった。
ということで、今号から読みなおして見ようと思ったが、今度は東北弁キャラが不愉快すぎて困る。
こっちは画力と違って、作者の狙い通りなんだろうが、それにしたって、ここまで
不快なキャラへ仕立てずとも。

次号へのヒキは興味をそそられるつなぎ方。十分に及第点以上。
連載経験がダイレクトに実力の向上に繋がっているようだ。

ブラック・ジャック創作秘話
もうこれは、ちょいとした神話と言っても過言ではない。手塚神話。

石坂啓は、鉄の旋律文庫版鉄の旋律―The best 3 stories by Osamu Tezuka (秋田文庫)の巻末に寄稿してた覚えが。
もう手放してしまったので確認出来ないが、天国で先生の原稿を天使が運ぶだとか言っていて、
何言ってんのこの人、と思ったものだが。
今回のエピソードを読んで納得できた。
石坂啓は夢見る乙女として手塚治虫に弟子入りし、今なお夢見る乙女性を失わずにいる
かわいいおばさんということだ。