ナナマルサンバツ 4巻

とりあえず小並感だが、ものすごい面白い。

今回は朝ヶ丘女子高に各高集まっての大会、例会のお話。
前半は、ヒロインの裏事情に触れつつ、例会に向けて動き出した文蔵クイ研部員達の交流を描く。
そして後半からいよいよ例会の本番がスタート。

ミッション系女子高の礼拝堂で行われる大会に、礼服で開会宣言をする朝ヶ丘のメンバー達。
中にはヒロインの友人や、軽く腐っている子など、予め普通の女の子として描写されている
メンバーが混じっている。
おかげで、この演出は普通の高校生たちが精一杯考えた、意欲の結晶だということがよくわかる。

聖書の雰囲気で始まった大会の、クイズ形式もまた聖書になぞらえてある。
悪ノリにならない、良いバランス感覚の雰囲気作りがされたプログラム。
また、2Rと敗者復活戦の形式が秘密というのも興味をそそられる。

この2Rの試合形式、”汝の隣人を愛せよ”が実によく出来ている。
かなりの変則ルールと言えるが、これまで正統なルールでの試合描写を丁寧に続けてきたおかげで
何がどう変則なのか、読んでいる方も実に理解しやすい。
「あれ、このルールでこの出題だと、こういう風に回答しないといけなくなるのか?」などと
思いながら読んでいると、作中でも正にその通りの説明が入る。
大会の場に一緒に参加している様な臨場感を味わうことが出来た。

本巻は2R、越山君の試合の途中で終了。
謎めいた新キャラ(?)、苑原弟も登場し、ますます目が離せない。

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今ではもう、アレな見方しかできなくなった”てんむす”に、俺が期待していたものは
正にこれ、この作品がやっていることだったんだよ。
どうしてああなった。