まどか☆マギカ 叛逆の物語 ほむらの心情についての解釈

まどか☆マギカ 叛逆の物語 結末に関する考察 - 逆引き探しに則って、
作中のほむらの心情を解釈していく。

ネタバレには全く配慮していない。

・TVシリーズ終了時点〜新編開始前まで
ほむらはこの期間に、上述の説に思い至ったということを前提とする。

自分がいずれ、まどかの創りだした新しい理を崩してしまう。
それに気づいたことで、ほむらのソウルジェムは急速に濁りだした。
守るべきはずの物を貶めることへの恐れと焦り、さらに、自分だけが愛するまどかを
脅かせるという優越感と期待感(愛?)。
また、やがて彼女は思い至る。自らソウルジェムを砕いて死ぬことで、
まどかを脅かす結末を回避できることに。

まどかと再開を果たすために、彼女の祈りを阻害するのか。
彼女の祈りを守るために、再開の約束を捨てて自ら命を断つか。
おそらくこの時は、まどかの守ろうとした世界を守らなくてはという、
世界改編直後の決意に従って、自ら死ぬ事を選択したのではないか。

死ななければ、死ななければと思い続けながらもためらい、ソウルジェムが濁り切る
直前まで思い悩んでいた隙に、干渉遮断フィールドを設置され、新編へ至ることになる。

・新編開始〜VSさやか後まで
自らの結界の記憶操作によって、上の気付きや自殺の決意は忘れている。

和子先生があんなことになってしまったのは、あの世界が仮初めの物だから。
ではなく、神にも等しいまどかが願った世界が、やがて崩れるという事実が
終末思想として現れてしまった結果。

この結界を張った魔女は現状維持を望んでいる。
事態が進展すると、いよいよ自殺の時が迫ることがわかっているから?

・夜の公園でのまどかとの対話
ここで自分が魔女になっている確信を得る、と同時に自殺の決意を完全に受け入れる。
あの場でまどかが発した言葉は、悪い夢を見て心を痛めているほむらを慰めるための
ものだったと思われる。まどかの言動はいつも、誰かを想ってのことだから。
しかしそれが、大切な守るべき存在に、耐えられないほど苦しい選択をさせた
罪悪感となり、かえってほむらを追い詰めることになる。

もう一度まどかと会って、話ができて、それだけで私は幸せ”だった”。
というセリフがあるが、この過去形は自分の命を終わらせる覚悟と、二度とまどかと
会えないことを了解した事の現れではないか。

・バスが来ます〜完全な魔女化直前
保留。

・完全な魔女化時点
並んだ椅子の心象風景は、本当の自分を偽ってでもまどかを救えなかった、後悔だろうか。
封印したはずの、おさげで眼鏡の自分が恨めしそうに見下ろしているのも、後悔か。

完全に魔女化した姿の、なんと哀しいことか。
キュウべえとの会話で登場した断頭台は、あくまでイメージ映像だったはず。
それが実際に現れ自らは手枷をされ、憲兵に先導されながら大通りを引き立てられる。
あの時まどかを止めなかったことを、それ程大きな罪と捉えていることの現れだろう。
死を以って贖罪に代える。これ以外の道は無い、死ぬしか無いと思っている。
それでも背中のリボンが手となり、地を這いずって足掻くのだからなお悲しい。

ちなみに、断頭台が現れた場所は、まどかと対話したあの公園である。
自らの死を、まどかに捧げるつもりということだろうか。愛が重い。

恐らくこの時点では、デビル化しようなどとは露程も企んでいない。

ところで、自分の魔女結界の構成要素で首をはねたとして、死ぬのか?
いよいよ断頭台に辿り着き、首をはねられた時、魔女として本当に完成するのではないか。
今首をはねられた魔女体は消え、再びあの遺跡の様な建物からせり出してきて、
引き立てられ、断頭台で首をはねられる。
そんな事を永遠に繰り返して贖罪を続ける魔女になるのではないか。
ほむらの魔女は、まどかのために幾度と無く同じ時間を繰り返した、自分自身を
皮肉った様な性質なのかもしれない。

・総力戦時点
この総力戦、円環の理側の目的は魔女結界の天井を破壊し、その先にある
干渉遮断フィールドを破壊することである。
ほむら側は、当初は断頭台に辿り着き、二度と後戻り出来なくなること。
人魚の魔女に足止めされた隙に天井が侵攻された後半は、それを守ることに
目的を変更する。
どこまでも、結界の中で死ぬつもりである。

・窓からまどかの手が差し伸べられた時
直前、自らに銃を向け、ここでもまだ自殺の決意が揺るがない。
独りぼっちになってはいけないと、何が有っても見捨てないと声を掛けられたとき、
この時こそが自殺を諦め、自らの祈りの実現を受け入れた瞬間だろう。

ただし、この時点でもまだデビル化を選んだことにはならない。
自らの祈りの結果、円環の理から人間まどかを引き剥がし、世界を歪めてしまう、
その巨大な罪を背負うことを覚悟したにすぎない。
あくまでも結果として、デビル化してしまったと解釈する。

この後の、悪魔としての態度はどうだろう。
世界を歪めた者としての責任、罪を背負い、悪を演じているように見えてくる。

ああ、だけど独りぼっちになったらダメと言われたのに、マミさんも杏子もさやかも
拒絶して、まどかにも忘れられていて、以前よりもずっと独りぼっちじゃあないか。