読んだマンガ − ケモノシマ

伯林先生の新境地はサバイバル・ホラー、だと?

この表紙。暗い雰囲気の中に、野犬一匹。背表紙もタイトルロゴだけという地味さ。
書店で見かけた時は、同じペンネームの別人かと思った程、これまでの作品と
雰囲気を異にしている。
と、言うほどこれまでの作品は読んでないんですけどね。
いや、違うな。しゅーまっはしか読んだことないや。

しゅーまっはがチャンピオンで連載されていたのは、もう10年以上前になるのか。
あれは良かった。
可愛いとゆるグロがやんわり混ざったテイストは、高校生の自分にチャンピオンとは
どういう雑誌かを強く刻み込んでくれた。

さて本作。面白い。
導入にあたる日常パートを大胆にすっ飛ばして、最初から事件の渦中というのは斬新。
舞台や登場人物の背景や、敵との遭遇から現在まで、全体的にわからないことだらけに
なってしまっているが、意外とそれが問題にならない程度に脚本が出来ている。
むしろその、わからないことだらけの困惑を、身近なペットのはずの犬に襲われるという
登場人物達の困惑に共感する足がかりにできた気がする。

これは、続刊も迷わず買い。

難点を挙げるなら、絵の方かも。
犠牲者の描写に、濃い目の血しぶきでモザイクをかける”配慮”が有って、物足りない。
あと、キャラクターの色の塗り方が地味というか、奥行きが無いというか。
挟まっていたフラッパーの広告と比べて、どうしても他の作品に見劣りしてしまう。


書店で見かけて、買うかどうか判断するためにamazonで検索したら、レビューが面白かった。
ギャグ漫画では無いので☆1つ、という豪快なレビュアーと、「参考になった」を付ける
13人中0人のユーザー、という不思議な状況に。
これがかえって購買意欲を刺激してくれた。