眠れぬ夜の酒はかじるもの

Captain of the Ship

Captain of the Ship

表題曲の「Captain of the ship」目当てで、レンタル。

同曲、以前ベスト版を買って聞いてたんだけど、PCにデータが残って無かった。
当時は初代gigabeat使って、直接リッピングしてたからだな。
そしてCD本体は多分実家に置いたまま。

さてしばらくは表題曲しか聞いてなかったのだが、先日の空灰行脚の際、
移動中に通して聞いてみた。
衝撃を受けた。
特に1曲目”人間になりてえ”と2曲目”泣くな、泣くな、そんな事で”
が尋常じゃない。

・人間になりてえ
『聞くと元気が出る曲です。』
自分は音楽系番組のPV等で、この様に楽曲を紹介しているのを見ると、しゃらくせえ
と思うタイプの人間なのだが、敢えて言う。
この曲は聞くと元気が出てくる。
冒頭の部分を聞いて、CD田中のアレかと吹き出したが、
「素直な心が欲しい」でなるほど、ここへ繋ぐための前フリなのかと納得。
そしてサビである。
涸れる程泣けだの、笑いやがれだの、こんな直球で力強くぶつけてもいいのか?
とこっちが心配になるほどのド直球。
「腹がよじれる程」の節回しにはゾワゾワさせられた。

・泣くな、泣くな、そんな事で
「酒をかじる」
誰か他にいたか?こんな言い回しをした人間が。
いや、前例がいてもかまわんけど。
石にかじりついてでも、という慣用句が有る。
この詩の中で、酒は決して楽しいものでも怠惰な趣味でも無い。
すがりついてかじり付かなければならない苦しいものなんだよ。
「容赦無く明日は俺の頭上にやって来る」
”明日”という言葉を希望の象徴として使う歌は山ほど有ろう。
だけどこの詩では、明日は辛く苦しい現実、来て欲しくないものを指す。
往々にして、明日を苦しく思う時が有るという現実をよくぞ描いた。
この曲を、苦しい時に聞いても元気は出ないだろう。
だが、何かがわかってもらえた気になって少し楽になれそうな気がする。