2012 チャンピオン 11号

空が灰色だから の一人勝ち。第15話「信じていた」
阿部共実って、こんな”巧い”作風だっけ?

怒涛のセリフ量で押し切る勢いと、画面一杯の躍動感溢れる絵が
最大の持ち味で有りながら、鬱屈した精神の描写にも秀でている
幅の広い作家だとは思っていた。
しかし、今回の話はなんだろう、次の次元へ進化した様な印象。

今作はある種、阿部共実の集大成とも言える。
緊張感のある、予測のつかない話の展開。
1コマ1コマに意味が有って、濃い。
3ページ目から4ページ目にかけての能動的なつながりは、その最たるもの。
そして、結末を見てから見返すと、心のザワつきが一層高まる。
読み終えた時の消耗度合が尋常じゃない。12ページの作品とは思えない。
おかげで次ページのエンボイをめくる手がおぼつかず、途中で閉じてしまった程。

次号は休載か。
このクオリティを出した直後の休載となると、変に期待が高まる。
果たしてどう転ぶのか、楽しみだ。

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空が灰色だから 1 (少年チャンピオン・コミックス)

空が灰色だから 1 (少年チャンピオン・コミックス)

単行本第1巻おめでとう。
当然買う。
読み切りの破壊症候群やドラゴンスワロウが収録されるのかが気になる所。
破壊症候群は雑誌掲載分切り出して取ってあるからいいんだけどね。